2017年5月29日月曜日

ギターは金融資産になりうるのか ローズウッド輸出入問題




ギターは投資アイテムと成りうるのか



カフェイン11にて晴一さんが言っていたヴィンテージギターの価格問題。

面白い話題だなと思ったのでこの機会に掘り下げてみようと思う。

ヴィンテージギターの値段が上がり続ける今だからこその問題である。









ギターの現物資産価値




ギターは現物資産に属することになる。

現物資産について、あるデータを参照したい。

2013年に公開された2002~2012年の10年間の現物資産の価値の上昇率のグラフである。







最も資産価値が上がったのがクラシックカーである。
楽器ではヴァイオリンが5位である。

ギターは8位で9位のアートよりも投資リターンが高いということになる。

あくまでも2012年までのデータなので、そこから5年経った今、資産価値はまた変動しているかもしれない。
少なくともギターは確実に値が上がっている。




木材供給の限界




ギターの価値が上がる要因として今は使用禁止となっている木材が使われてることが挙げられる。

たとえばブラジリアンローズウッド(ハカランダ)は絶滅危惧種として1992年にワシントン条約に掲載されることとなり輸出入が厳しく制限されるようになった。


そして今年1月2日からはワシントン条約によりローズウッド全般の輸入も厳しくなった。
輸出許可などを申請してクリアすれば輸出入は可能とのことである。


ローズウッドはギターという楽器において、かなりの割合で使われている。
僕のギターの指板もローズウッドばかりだ。


完全に輸出入禁止ではないし、実際問題、現時点でこんだけローズウッドのギターが出回っていれば、50年先でも希少価値が上がるとはあまり考えれないだろう。

それでいても申請などのコストが増えることで、メーカーは価格を上げざるを得ない、ということはやはりギターの値はまだまだ下がることはなさそうだ。



ギターが資産になること



晴一さんは1960年製のギブソンのレスポールスタンダードを所有している。
(先日もヴィンテージギター買ってたけど)

【関連記事】
新藤晴一使用機材〜レスポール編〜

そして以前のインタビューでは「墓場に持ってくギターではなくて、自分から次の人へと受け継がせるもの」という発言をしている。

つまりギターをきちんとギターとして使用し、次の世代へ受け継いでいこうとしている。
他の名だたるヴィンテージギターも同じく、様々な人間の手を渡ってきているギターばかりだ。


そして僕らはそのギターたちによって生まれた"音"を資産として聴いているのだ。


もちろん、所有者の自由なので持ったからには演奏しろとはいうことはできないけれど、音楽が好きでギターを愛しているような人間にとっては複雑な心境である。


【こんな記事もあります】
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