2017年5月16日火曜日

ポルノ全アルバムレビュー1st「ロマンチスト・エゴイスト」






ポルノグラフィティのシングルレビューをちょくちょく書いてるけど、平行してアルバム感想も書いて行こうと思う。

理由はいくつかある。


最も強い理由は僕があるアーティストをひたすら聴き込む時、他の人の書いたアルバム紹介やレビューがとても参考になったからだ。


ファンならではの目線から見たアルバムレビューは、そのアルバムがファンの中でどんな立ち位置なのか分かって面白い。

同じように自分もポルノグラフィティのベストだけではなくて、オリジナルアルバムを聴いてみようと思った人のために、少しでも役立てればと思って書く決意をした次第である。


しかし、シングルレビューの時のように、1曲1曲長く書いていると終わらなくなってしまうので、1曲ごとはなるべく短めに書いていきたいと思う。

アルバムレビュー特有で☆を付けたりするのはあるけど、個人的には好きではないのでなるべくフラットに書いていきたい。

ただし情報は時にバイアスになってしまうので、初聴は何も知らない状態で聴いた方が良いと思うことを付け加えておく。

もう一つ言うまでもないかもしれないが、他人がどう思ったかということに引っ張られすぎてもいけない。

最後は必ず、自分の感性を信じて欲しい。

ということで最初はこのアルバムである。


ポルノグラフィティ全アルバムレビュー

1st 「ロマンチスト・エゴイスト」














アルバムについて




ポルノグラフィティの記念すべき1stアルバムである。
シングルでは"アポロ"と"ヒトリノ夜"が収録されている。

ファンの間でも根強い人気を誇り、今でもこのアルバムが1番好きというファンは多い。
2016年にはファンクラブ限定でアルバムの再現ライヴが行われた。


ファンクラブ限定であったが、映像作品になっているので、是非チェックしてみて欲しい。






インディーズ時代からの楽曲と、メンバーが東京に出てからデビューまでの2年間に製作された楽曲が収録されいる。
その曲たちはデビュー曲を目指して書かれたものが多いので「全曲シングルカットのクオリティ」での謳い文句はだてではない。

"アポロ"だけじゃないという楽曲の幅広さという魅力も詰まっている。


ジャケットが猫である理由は、タイトルの「ロマンチスト・エゴイスト」が示す二面性を猫が表していることからである。
"ライオン"や表題曲の"ロマンチスト・エゴイスト"の歌詞にも猫が登場する。

あと個人的になんだけど、ジャケットの左下のバーコードが最初はなんでここ? と思ったけど、今は逆にここにないと落ち着かないし、好きになった。結局今も理由は知らない。

では曲を見ていこう。



全曲感想




1. Jazz up


「ポルノ」を冠したバンドの1stアルバムの1曲目からドエロソングである。ファンクっぽくホーンセッションを大々的に取り入れている。

イントロのゴニャゴニャ言っているのは、メンバーの雑談を3パターンくらい組み合わせたものである。「欲望の火」とか聞こえる。

岡野昭仁の初々しく青さの残るヴォーカルが、曲の歌詞ととても合っている。

サビの「Dive in the mother's sky」は子宮のことである。
ぐうの音も出ないほど直球である。

エロが目立つ曲だが、2番の昔の自分と今の自分の対比など、ふと胸に迫るような歌詞も魅力である。



2. Century Lovers



ライヴの定番曲。
みんなで楽しくFu-Fuする曲。

因島でライヴを行った際にFu-Fuの「レイザーラモンよ。あんな感じで」と小学生相手に言っていたのが、やたら印象に残っている。今だともう伝わらない。

バンドとしてこのディスコ調の曲に、最初は戸惑いもあったらしいが、結果的には、ルノグラフィティでしか成り立たないような曲になっていると思う。

元々は2ndシングルになる予定だっただけに、アルバム曲とは思えないくらい気合いが入ったアレンジとなっている。

シングルリリースされなかったのは煽りであるFu-Fuが当時流行していたモーニング娘。の"LOVEマシーン"と似ていたことからリリースされなかったという裏話がある。



3. ヒトリノ夜


2ndシングル。

シングルとしては"アポロ"の陰に隠れてしまいまちだが、人気は根強い。

このイントロがくると、3曲目にしてもうアルバムに魅了されてしまうことだろう。
比較的アッパーな並びだけれども、3曲どれもジャンルが違って個性があるのに、連続して聴いても違和感がないというのは、凄いことだと思う。

楽曲の詳細については、シングルレビューを参照いただきたい。

ポルノ全シングルレビュー 2nd「ヒトリノ夜」



4. ライオン


インディーズ時代から演奏されてきた曲である。

ツェッペリンをバリバリ意識したドラムで始まる。というかまんままるでツェッペリンのような曲である。
乾いたスネアとギターリフがカッコイイ。

歌詞のレディライオンは新藤晴一の視点から見た当時の渋谷を闊歩する女子高生のことだという。

インディーズ時代にNHK BSのコンテストで演奏しようと思っていたら、「ライオン」が商標登録に引っかかるのでNGになったというエピソードがある。
この曲をやっていたら、より違っていたのではと思うとおはようからおやすみまで許せない気持ちになる。



5. 憂色〜Love is you〜


ピアノのアコギをフィーチャーした、アルバム唯一といっていいバラードナンバー。


食べかけの夢の雫
君を酔わせたから
思い出の後先
見失ったりして


がとても好きなフレーズ。

その後に続く「耳が痛くなるくらい~」のCメロは、新藤晴一が歌詞を書いてる夢を見て、そこで書いていた歌詞だとテレビでコメントしていた。
夢でも作詞してしまうほど才能が溢れていたのか、それほど当時はうなされながら歌詞を書いていたのか判らないが、たぶん後者だと思う。

2005年に行われた、C1000タケダのキャンペーンの招待制ライヴ(倍率高くて僕は落選した)で披露されたが、それ以降演奏される機会はほぼなかったが、前述のファンクラブイベントで久しぶりに演奏された。



6. Heart Beat


数少ない、本間昭光が作詞作曲を手掛けた曲。

何気にライヴですごく盛り上がる。

コメントなどを見ていると、当初は本間昭光が歌詞まで書いた曲がもっと多くなるはずだったが、新藤晴一の歌詞が良くて、採用される機会が増えたという。
才能がやはり溢れ出ている。誰だうなされながら歌詞書いてたとかいうやつは。

「いろんなコトをさあ一緒にはじめよう」という歌詞だったり、本間昭光からポルノグラフィティへのエールとも受け取れる。知らんけど。



7. マシンガントーク


ライヴではモンキーダンスする、岡野昭仁が首の筋を痛めそうになるのが定番。

実際は披露される機会が減っていたのと、恥ずかしさからライヴでやってる人が意外と少ない。

しかし、ファンクラブライヴの際はみんな迷いなくやりまくってて「鍛えられたファンはスゲーな」と思った。

あとサビのGOOD TIMEで上下、BAD TIMEで左右に腕を切るように振るという謎の振りがある。

これも本間昭光が歌詞を手掛けている。
かなり実体験の印象が強いのはなぜだろう。想像つきそうだからだろうか。


8. デッサン#1


後のアルバムで#3まで創られることとなるデッサンシリーズ、その最初の曲にあたる。

ポルノグラフィティ、新藤晴一の歌詞はフィクション性の強い歌詞が特徴だが、このデッサンと銘打たれたシリーズは、実際にあったで出来事を、まさにデッサンのように写実的に書き写していることが特徴である。ちなみにこれは岡野昭仁の実体験らしい。

インディーズ時代からあった楽曲で、インディーズver.では「どうか教えて たった一つセロリが嫌いなことだけ」という歌詞であり、それが妙に印象的であった。
どうやって聴いたのか? それは限りなく黒に近いグレーな方法なので答えられない。

かなりキーの高いヴォーカルだが、2014年の横浜スタジアムで久しぶりに披露された時には岡野昭仁は、原キーで歌い上げた。聴いてる方が震えてしまうほど圧倒的な歌声であった。

ヴォーカリストというのは、人によっては年々衰えてしまうこともあるのだが、この人のストイックさはやはり凄いものがある。化物かと思った。



9. アポロ(New Apollo Project Version)


シングルとの違いはイントロでアポロの発射時の音声が追加されていることと、アウトロが音がぶつっと途切れる形に変わっている。

ここまでの流れで「全曲シングルクオリティ」ということに納得していたが、ここで"アポロ"を聴くと、やはりデビュー曲に相応しいのはこれ、という印象を受けざるをえない。

詳細についてはシングルレビュー参照。

しかし"アポロ"が収録されているということで、1stアルバムとしての注目度が上がったことは間違いない。


ポルノ全シングルレビュー 1st「アポロ」
アポロ歌詞解釈~変わらない愛のかたち探してる



10. ラビュー・ラビュー


アルバムの中ではかなり異色な曲。

新藤晴一がこの曲の制作において「Tamaがやたらオシャレな曲を作ってきた」と語っていたように、テンションコードが効果的に使われている。

作曲において「7thを使うとオシャレ」と訊いた人はこういう曲を参考にすればいい。

テンションコードでなぜそう感じるか知りたい人は、近所の蔦谷好位置に訊いてみて欲しい。

ブラスやストリングスのアレンジも相まって、陽を感じさせる華やかな曲になっている。

ポルノグラフィティの中でも随一のノロケソングであり、こんな彼女を持ちたいという男は多い、はず。



11. ジレンマ(How To Play "didgeridoo" Version)


2ndシングルのカップリングナンバー。
アルバムではオーストラリアの民族楽器である「ディジュリドゥ」がイントロに使われているバージョンとなっている。

今でもライヴの最後に演奏されている定番曲である。

詳細については「ヒトリノ夜」のシングルレビューと、歌詞解釈も以前書いているのでそちらも合わせてどうぞ。


ジレンマ歌詞解釈~ジレンマが示すもの




12. リビドー


アルバムで唯一、岡野昭仁が歌詞を書いている。

タイトルの「リビドー=性欲」が表すように、本間昭光の曲に岡野昭仁が乗せている言葉は熱が伝わってくるほどの"行為"である。
ポルノグラフィティというアーティスト名でまたしてもアルバムに"真っ最中"の唄があるので、もう言い逃れできない。


舌先に残るザラつき 絡ませ合おう

早急じゃないと愛なんて消えそうで


しかしながら、"まぐわい"の曲が2つあることで、新藤晴一と岡野昭仁の歌詞に対するアプローチの違いが浮き彫りになって面白い。"営み"の曲で比較するのもどうかと思うが。

新藤晴一に比べ、岡野昭仁の歌詞は"主観性"が強く出てるのが特徴ではないかと思う。

新藤晴一はどこか俯瞰している部分があるのに対して、岡野昭仁は中へ中へ向かうように感じる。

重いハードロック調で、曲としても最高にカッコイイ。



13. ロマンチスト・エゴイスト


デビュー前、本間昭光と出会う前にできた曲。
唯一メンバーと本間昭光ではない方が曲を書いている。

岡野昭仁曰く「君たちにはUKロックみたいなのが合うんじゃなかな」という提案から創られたそうだ。

言われてみればたしかに、オアシスっぽさがある。
なにがオアシスっぽいかと言われたらわからないが、なんとなく眉毛が浮かぶので間違いない。

ちなみに作曲したRyo(吉俣良)はドラマ音楽なども手掛けている。


サビの歌詞は「意味はよく分からないけど不思議と心に残る」ということで採用された、


ロマンチスト・エゴイスト・ツナグ・コバルトブルーのアーチ


たしかに、全く意味がわからないけど素晴らしい、新藤晴一らしさが随所に見られる名曲。


ということで「ロマンチスト・エゴイスト」について書いてみた。
短くなるわけがなかった。



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