2018年1月15日月曜日

スキマスイッチの"さいごのひ"が如何に名曲なのかをひたすら語らせて欲しい





突然ですが、スキマスイッチの名曲といえば何を思い浮かべるでしょうか。


おそらく"奏(かなで)"や"全力少年"や"ボクノート"などの意見が多いことと思う。

もちろんどれも名曲だし、大好きな曲たちだ。

そんな中で、僕は"奏(かなで)"に負けずとも劣らない評価をされてもいい曲なのに、イマイチ知名度が高くないと勝手に思っている曲がある。

それが2011年1月にリリースされた14枚目のシングル"さいごのひ"だ。シングルであるが、タイアップも特になかったためか、上記の曲たちよりは少し知名度は落ちる印象にある。

だが、タイトルの意味、歌詞、メロディ、アレンジ、演奏、とにかくどれもが完璧なまでに調和した名曲である。

そんな曲について語らせて欲しい。

まずはしっかり曲を聞いてからどうぞ。







愛情の実体




揺れる 揺れている か弱く燃えている
巡る 巡っている 僕を取り巻くモノ



キャンドルのように揺れながら頼りなく燃えている"火"

まず僕がこの曲を聴いて想像したイメージを書いておこう。僕は病室で意識がなく眠り続けている君に語りかけている曲ではないかと感じた。

何故そう思ったかというと、主人公の喪失感と君への消えぬ、いや募るばかりの想い。

僕は君へ語りかけてるのに、僕のは君に呼び掛けて欲しいと願う。

淡い希望を持ちながらも、いつか訪れる"最期の日"に向けて。

この2人の関係はなんだろう。

ある人には夫婦、ある人には恋人、ある人には親子、ある人には、聞き手によって様々な愛情の実体(かたち)に写るだろう。

愛情とは光であり、希望なのだ。


だからこそ僕らはいつか最期の日が訪れると分かっていながらも、明日を信じて生きていける。


つけっぱなしのテレビはまた 子供が犠牲になったという


これはもはやイエモンの"Jam"に匹敵する歌詞だろう。



さいごのひ




さいごのひが消える時に人は
いったい何色の世界を見て 誰を想うの?


スキマスイッチの中だけでなく、僕の人生のオールタイムベストにも入れているほど好きな歌詞である。

メロディも大橋卓弥の歌声も演奏もあまりにも素晴らしい。

死が恐ろしいのは、それが決して生きてる間に経験できないものであるからだ。
生を失うその瞬間。人の目には何が見えるのだろう。

だからこそ、このフレーズはいつまでも美しくも残酷なまでに響くのだ。

タイトルの"さいごのひ"がここに登場する。

「最期の日」「最後の火」「最後の灯」「最後の陽」など、この言葉にどんな漢字を当てはめるか、それは歌詞の2人のように、聞き手それぞれの心に委ねられる。

僕が君の意識がない状態ではないかと思ったのは、ここにもある。


まるで延命装置をそっと外すような想い。

タイトルについてはインタビューを引用しよう。

常田:”さいごのひ”っていうのは、僕のなかでは希望なんですよ。最後の日が来ないでほしい、っていう思いを込めてるというか。
大橋:いろんな意味に取れるのもいいなって思うんですよ。曲を聴き返すごとにタイトルの意味合いも変わってくるかもしれないし、”何で平仮名なんだろう?”って考える人もいるんじゃないかなって。すごくストレートで味がある、いいタイトルだと思いますね。


死の瞬間に見える世界を知り得ないように、君の気持ちを僕は知る由はない。しかし、僕は君のことを強く思い続ける気持ちは変わることはない。


どうして僕には、君しかいないんだろう


知る由のない君の気持ちはきっと僕と同じものであるはずだ。

その"ひ"はまだ消えていないのだ。


イエモン"JAM"の歌詞の意味にまつわる誤解の誤解「乗客に日本人はいませんでした」

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2018年1月10日水曜日

Mr.Children""LOVE 歌詞解釈~あなたは"LOVE"をなんと訳しますか?







ある日iPodをランダム再生で聴いていた。

そこである曲の歌詞をあらためて良いなと感じた。

タイトルに書いているので、勿体ぶらず書くが、Mr.Childrenの"LOVE"である。93年にリリースされたアルバム「Versus」に収録されたナンバーだ。

名盤である。ランダムで聴いておいてなんだが、このアルバムの"LOVE"~"さよならは夢の中へ"~"my life"という終盤の流れがたまらない。

ということで"LOVE"の歌詞を見ていこう。




LOVE



この曲に描かれている男女関係は中々に入り組んでいる。

まず中心にあるのは、語り手である僕と君である。
僕には彼女がいて、君には「昔 野球で鍛えた君の彼氏」がいる。

僕は最初、主人公の僕と君が昔恋人関係にあって別れたと思ってたんです。別れたけれど、お互いに気にかける存在で、いつまでも心に引っ掛かり続けているような。彼女がいながらも、君を忘れられずみたいな。

けど「彼になる気もなくて 責任などさらさらさ」からも、僕は君と付き合うつもりはないことが分かる。

お互いに相手がいながらも、僕は君を気にかけてるし、君も僕に気のあるような素振りを見せる、要するに2人は浮気である、結論付けるのは簡単だ。

しかし、ちょっと踏み込んで考えてみると、浮気だけでは済ませたくないような、2人の関係性に見えてきた。

それを表しているのが「でも愛してるとは 違ってる」というフレーズにある。このフレーズに2人の関係性は「愛」とか「恋」みたいな簡単な言葉で片付けられるものではない。

だからこそ「LOVE」というタイトルなのだ。絶妙である。

愛でも恋でもときめきでも愛情でもない、でも束縛ややきもちもあるLOVEという物凄いバランスの上にあるタイトルではないだろうか。
結ばれなくても、お互いをよく知った2人、例えるなら「ラ・ラ・ランド」のミアとセブみたいな関係性ではないかと。

ちなみにミスチルファンの中ではこの曲はクリーニング屋の店員を巡って桜井和寿と田原健一が争った曲で「昔 野球で鍛えた君の彼氏」は田原であるという説があるが、ソースがイマイチなさそうなので、ここではその説は踏まえないこととする。


※ここからはいつもの超解釈のため、別に読まなくて大丈夫です




昔 野球で鍛えた君の彼氏




さて、僕はこの「昔 野球で鍛えた君の彼氏に 殴られるのもなにか違ってる」というフレーズが昔から引っ掛かっていた。

素直に受けとれば、浮気(本人はそのつもりはなかても外野から見るとそう見える)相手である男を殴った君の彼氏になる。
矢口真里とベッドにいた男を殴る中村昌也を想像すればいいだろう。

それと1番のサビの「かなり勘の鋭い 僕の彼女を 怒らせるのも なにか違ってる」と対になっているということもあるしね。


だが、もしも君の彼氏が殴られるのが僕ではないとしたら。

殴られるのは君であったとしたら。

気がつけば いつも 巻き込まれてる
いつも君のペースだけど 楽しくて
昔 野球で鍛えた 君の彼氏に
殴られるのも 何か違ってる

それでもね 時々は 電話しておいで
昼間でも 夜中でも 遠慮はいらない

もし、「殴られるのも 違ってる」は「君が暴力を振るわれるのは間違ってる」という意味であるならば。もし、「昔 野球で鍛えた君の彼氏」がウラディミール・バレンティンのような男だったとしたら。


悲しい出来事に その笑顔を奪われたら
探しに行こう あの日のように


愛でも恋でもないLOVE


様々な意味が込められていて日本語にできないと書いたが、もしこのLOVEを日本語になんとか当てはめられるなら。


それは「慈愛」ではないか。


それも一つのLOVE


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2018年1月5日金曜日

170828-29歌詞解釈 赤いボタンの上の僕らのピースする




僕らの平和はあの国がボタンを押さないことの上に立っている。


金正恩氏、新年の祝賀メッセージでアメリカを威嚇「核のボタンは机の上にある」



ポルノグラフィティのアルバム「BUTTERFLY EFFECT」に収録された"170828-29"の歌詞は、タイトルの通り2017年8月28日に書かれたものである。

ポルノグラフィティには"∠RECEIVER"や"Twilight,トワイライト"のように、社会情勢を切り取った曲がいくつか存在する。"170828-29"もそんな曲の中のひとつである。

この曲については晴一さんの中では比較的平易な言葉の歌詞なので、言葉の通りに受け取るだけでもメッセージが十分に伝わってくる。
だが、新年早々入ってきたニュースを前に、書かずにいられなくなった。



ボタン





歌詞にもあるように、北朝鮮のミサイル問題をテーマにした曲である。

昨年も北朝鮮のミサイルが何度も日本の領域を犯した。タイトルの意図は下記のインタビューの引用を参照いただきたい。

──晴一さんの曲で言うと、11曲目の「170828-29」はかなりの問題作のような気がします。タイトルになっている今年の8月29日は、北朝鮮が初めて弾道ミサイルを発射した日ですよね。

うん。この曲のメロはちょっと前からあったんだけど、歌詞を書いたのが8月28日で、歌入れをしたのが29日だったんです。北海道の上空をミサイルが飛んだことを受けてあたふたと歌詞を書いたわけではなく、実は前の日に書いてたんだよってことを言いたくて、あえてタイトルには28日も入れたんですけどね。


北朝鮮のミサイルを通して伝えるメッセージは平和の本質である。

カフェイン11でも以前言っていた、僕らが今こうして平和な日々はあの国が"決定的なボタン"を押さないことの上に成り立っている。

そのボタンは云わずもがな"机の上にあるボタン"である。

よく「核の抑止力」という言葉が使われるが、圧倒的なまでの凶器を互いに持つことで、戦争を牽制し合う、その上にある平和というのはとても歪である。
因みにであるが、言葉を引用しよう。

核抑止(かくよくし)とは、核兵器の保有が、対立する二国間関係において互いに核兵器の使用が躊躇される状況を作り出し、結果として重大な核戦争と核戦争につながる全面戦争が回避される、という考え方で、核戦略のひとつである。核抑止理論、また俗に「核の傘」とも呼ばれる。



俺の傘など華奢


歌詞に登場する「戦場からインスタグラム」。今現在も紛争が続く地域もあるが、この戦場とは世界そのものではないか。
そのボタンが押された瞬間に世界は争うしかない。何故なら抑止力はそこにはもうないからである。

更にいえば、いつどこでテロが起こってもおかしくない今の世の中と捉えてもいいかもしれない。

そんな、いつ、どこで、戦場になるか分からない世の中でインスタグラムにはきらびやかな世界が並んでいる。









ピース




──みんながピースサインを掲げることが武器になるという強いメッセージは、今だからこそよりリアルに響くところはありますよね。

ポップソングに持っていくためにそういう落ちにしたところはありますけど、まあでもそれは僕のリアルな気持ちですよね、本当に。この曲の意味がなくなってしまうような現実にならないことを祈るばかりです。ミサイルとかホントにやめてほしい。



歌詞の通りに捉えると確かにそう思うのだが、どうしてもこの「ピースサイン」は皮肉なのではないかと穿った見方をしてしまう。

それは先の「戦場からインスタグラム」にもあるように、ボタンひとつで壊れてしまう平和の上で僕らは呑気に平和ボケしてピースサインを掲げていないかという思いからである。

テロが発生した時、テレビやネットから伝わる情報に僕らは震え怯える。しかし、しばらくして僕らはそれすら忘れてまた日常を生きる。

無論、毎日テロに怯えながら生きる訳にはいかないが、あまりに"馴れ"すぎてはいないかと考えてしまう。


同様にとても怖いと思う表現がこれである。

星に祈るみたいに ミサイルを見上げては
願い叶いますように


これがあまりに強烈な皮肉だ。

ミサイルを流れ星に見立て祈るのは、ミサイルが落ちないこと。更には「見上げては」という言葉。そう僕らは何度も見上げてきた。為す術もないままに。

最後に「若きソルジャー 母を泣かすな」という言葉を受けて僕が思い出した言葉を書いて終わりたい。
「X-FILES」のシーズン10の5話「バビロン」より、自爆テロ事件に纏わる事件を終えたモルダーの言葉である。

「憎悪よりも強いものは母の愛情だ。母親なら我が子に殉教は望まない。母の望みはもっと高い」


ピースピース



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